先生、今私は
水泳が苦手な娘に、顔を水につける練習をさせています。
覚えていらっしゃいますか?
水泳が苦手だった、この私がです。
きっと笑っていますよね。
その白い歯を、きらっと光らせて。
小学校の夏休み。
苦手な子のための、水泳教室に来なさいと言われ
嫌々ながらも何とか通えたのは、
先生がいてくれたからでした。
クロールの練習。
20mのところで、苦しくなって立ってしまう私を
「なんで諦めるんだ!」と怒鳴り、
何度も何度も挑戦して、
初めて25mプールの向こう側に手がついた!
その瞬間のことは、今でも覚えています。
かろうじて私が“泳げる”のは、
先生のおかげです。
こっちは苦し紛れに下手くそな息継ぎをしていて
何も聞こえないのに、
先生は、私が泳いでいるスピードに合わせて歩き
プールサイドからずっと、声をかけ続けてくれました。
その、先生の励ましがあったから
25mを泳ぐことが出来るようになりました。
体育が苦手なのは、長女も同じで
私に似ているようです。
長女を見ていると、
あの時のことを思い出します。
諦めなければ、誰だって必ず泳げるようになる。
娘にも言って聞かせます。
小学校では4年ぶりに水泳の授業が行われるようです。
あの時私が感じた、恥ずかしさや苦しさや悔しさ、
そして、嬉しさも
娘に経験してもらいたいなと思います。
先生、空の上から見ていてやってくださいね。