鴨川シーワールド〜マザー牧場へ
1泊2日の旅行を予定していました。
まさか、3人で行って4人で帰る旅になるなんて。
旅行らしい旅行は初めてに近く
みんなとても楽しみにしていた。
特に実、ひょこひょこ歩けるようになってすぐに
コロナが始まったので、泊まりで出かけたのは
昨年のディズニーランドに行った時のホテルが最初。
今回は絵に描いたような“観光・レジャー”目的の旅行。
夫の透析は、週3回なので
2泊以上の旅行となると、旅行先で透析をしなければならず
子ども達を抱えての旅行でそれはまだ難しい為、
我が家にとってたかだか「1泊2日の旅行」は、とても特別。
旅行前日の深夜、夫にトラブル発生。
次の透析までに手術をしないとならない状況になり
旅行当日朝、急遽、
夫を置いて、私が子ども達を連れて電車で行くことに。
片道3時間半、電車を乗り継ぎ
大きな大きな東京駅を通って、特急に乗っての旅。
今思っても、当日朝よく判断し、チケットを買い
動けたものだと思う…いざとなれば母親は強し!
夫に「絶対に後から来てね」と約束し
3人で出発。
道中、実が特急で酔ってしまう等(私も酔った)ありつつも
無事に、鴨川に辿り着く。猛暑。
夫から「手術は夕方」と連絡が入る。
ホテルで揃っての夕食は絶望的か。
初めての鴨川シーワールドは
とても暑く、とにかく暑く、大変だった。
これだけは絶対!と思っていた、シャチのショーは
想像以上に素晴らしく、想像以上にずぶ濡れに。
水しぶきどころか、波、もしくは滝。
観客みんなでずぶ濡れになって、笑うしか無く
最高だった。
4人で長時間のドライブののち
丸1日シーワールドを満喫する予定が、
全展示場・ショーの半分も見ることが出来ないで
ホテルにチェックインすることになるとは、思ってもみなかった。
その間も、栞はパパのことが頭から離れず
時折、涙ぐんでは黙って飲み込んでいる姿があった。
実も、どういう訳かワガママひとつ言わず
乗り物酔いした以外は、ずっと元気だった。
なんていい子たち。
ちゃんと理解して、我慢して、精一杯楽しもうと
私を助けてくれた。
ついに夕飯時にも夫は間に合わず
3人で、お風呂と夕飯を済ませた。
「パパはまだ?」「もうすぐかな?」と
なかなか寝付かなかった栞と実を、何とか寝かしつけた。


1泊2日の旅行の半分を、3人で過ごすことになるなんて
想像もしていなかった。
夫がホテルに着くまでの間、色々考えさせられた。
透析患者を家族に持つということは
こういうことなんだな、いつどんなことが起こっても
おかしくなく、その度に時間や予定をやりくりするしかない。
子ども達は「理解」はしているけれど
その度に「我慢」させなくてはならない。
いや、それをどうか「我慢」と感じることなく
優しい心で受け入れてくれるように、
それは、私と夫の姿勢次第なのだろう、と思う。
夫から「着いたよ」とのメール。
「やっと会えたね」
電車で3時間半の旅
初めての場所でたくさんはしゃぎ
私の何倍も“歩数”を歩いたであろう、子ども達は
やっとパパがホテルに着いたことも知らずに
熟睡。
「大変だったね」「そっちこそ」
「子ども達、本当によく頑張ったのよ」
海の匂い、波の音。
遠くまで来たね。
無事1日目を、終えた。