
9月1日。
保育園を退園した寂しさも残る中
早速幼稚園が始まる。
初日。
ずっと「いっしょにバスにのりたい!」と言っていた実が
やっと栞と一緒に園バスに乗れることに。
生憎の雨。
レインコートを着て、沢山の荷物を持ち
何が何だか分からないまま、バスに乗り込み出発。
栞が実の手を引っ張っていて、とても頼もしい。
帰り。
この日は、栞の園内での習いごとがあるため
バスではなく、私がお迎えに。
実を先にお迎えに行くと、随分と疲れた顔。
“あぁ、泣いたんだな”とすぐに気付く。
私の顔を見て安心したのか元気になり、園庭で少し遊ばせ
時間になったので、栞の習いごとのお部屋まで迎えに行く。
その後が、災難。
帰ろうとしない実。一度スイッチが入るともう止まらない。
泣いて、叫んで、上履きと靴下を投げて
園の玄関で寝っ転がって暴れて、帰ろうとしない。
“あぁ、たくさん頑張った反動だな”
先生方が3人がかりで
声をかけてくれて、抱っこしてくれたり宥めてくれたり
それでもダメなので、お礼を言ってサヨナラして
自転車置き場までかついで、無理矢理乗せて、帰宅。
しばらくの間、家の中に入ろうとせず汗だくに。
栞が、声をかけるとふと顔つきが変わり
いつの間にか、元通りの実に。
私が、優しく言おうと怒って言おうと全てに反抗するけれど
こういう時、栞が助けてくれるようになった。
ありがとう、栞。やっぱりお姉ちゃんだね。
9月2日。幼稚園2日目。また、雨。
今日も沢山の荷物。栞が実のお手さげを持ってあげている。
朝、少し行き渋り「ママもいっしょにバスにのろう?」
ママは一緒に乗れないんだよと言うと、不安そう。
またバスにあれよあれよと押し込まれるように、乗車出発。
帰りは、お迎えではなくバスで。
先生に抱っこされながら、降りてきた実。少し疲れた顔。
バス停から帰ろうとせず、またギャン泣き。
抱っこして帰ることになり、雨が降る中傘もさせずにズブ濡れに。
栞に話を聞くと
実が栞のお部屋まで行ってしまったらしい。
栞のクラスのお友達が、可愛がってくれてお世話もしてくれたと。
年長さんは、頼りがいがあるね。
9月3日。幼稚園3日目。
制服を着てリュックを背負った上からレインコートを着せると
レインコートがツンツルテンで
あぁまた買わなきゃいけないものが増えた…。
行き渋ることなく、元気にバス乗車。
初めてバスの窓から手を振ってくれた。
帰りのバス、笑顔で降りてくる。
やっと笑った。この笑顔は嬉しいな、忘れたくない。
昨日のように泣くことなく、何とか家まで順調に帰る。
「幼稚園どうだった?」と聞くと必ず「たのしかった!」と。
担任の先生が抱っこしてくれたのが嬉しかったみたい。
何で抱っこしてくれたの?って聞いたら
「ないちゃったからだよ」と。そっか、やっぱ泣いちゃったか。
ママ、実がいっぱい頑張ったの知ってるよと話し
たくさんぎゅーってして褒めた。
泣くのは
ワガママを言うのは
外でたくさん頑張った証拠。
そんな風に客観的に思えるのは、下の子だからだろうな。
栞にも同じような時期はあったけど
その時には、冷静に見られなくて
うちの子だけおかしいんじゃないか、どうしてだろうと
本当に悩んだ。
そんな私を救ってくれたのは、保育園の園長先生だった。
保育園と幼稚園を両方経験してきて
やっと私も、母親として成長出来ている気がする。
全ての過程は、無駄じゃなかった。
実の幼稚園生活。
栞が居る間に、始めることが出来て良かったと思う。
まだ3歳になっていない実にとって
負担になることも多いかもしれないけど
栞と一緒なら、と何とか頑張ってくれそう。
栞が、こんなに頼もしいお姉ちゃんになっていたとは。
でも心配し過ぎて、実の様子ばかり気にしているようなので
自分のクラスでの活動に、支障が出ないようにしないと。
頑張れ、実!
ママも、頑張るね。