コナンって名前だったんだね。
家からバス停までの道にある、一軒のお宅に
柴犬が居ました。
私は普段自転車を使っているので、バスに乗るのは時々です。
そのお宅は結構広い敷地で
母屋から車庫までの間の頭上に、ロープを張ってあって
そのロープと柴犬の首輪が、更にロープで繋がれていて
柴犬が、車庫の方と母屋の方と行き来出来るように
しているようでした。
バス停まで歩く時には、必ず
そのお宅をちらっと横目で見て
「今日も柴犬、いるいる」
と確認して歩くのが、習慣になっていました。
夏の暑い日は車庫の日陰に
冬の寒い日はうずくまって
いつも、外に居ました。
昨今のお犬事情とは違って、昔ながらの“外で飼っている犬”でした。
私が学生の頃から柴犬はそこに繋がれていて
よくよく考えてみたら、随分とお年寄りなのでは?と
そういえば最近ちょっと毛並みも薄汚れた感じに見えるし
寝ている姿しか見ないなぁ…。って思っていました。
今日
そのお宅の母屋と車庫を結ぶ
そのロープが
なくなっていました
ご近所さんとはいえ、おうちの方とお話をしたこともないですし
私が一方的に、その柴犬を通る度に見ていただけですし
だから、分からないんですけど
多分
きっと、そういうことなのかなと
思います
柴犬が居ないかわりに、目に入って来たのが
「コナン」と書かれた、古びた犬小屋
「コナン」って名前だったんだね
今まで、柴犬を「よし今日もいるいる」って見ていたから
犬小屋に気付かなかった
寂しいな。
見上げると、雲の隙間から青空。
コナンの笑顔が見えた気がしました。
あのお宅とコナンは、今も
ロープで繋がっているような気がしました。
今日の私のBGM。いろいろ。