2011年11月07日

音楽制作の裏側〜私はかつおぶし〜

仮歌のお仕事してます。
って話すと、仮歌って何?ってよく聞かれます。
アーティストさんが曲を覚えるための、
(もしくは制作プロデューサーさん側に聞かせるための)デモ段階の歌。
っていつも答えるんですけども。

まだ歌詞がついていない段階の曲を「ラララ」で歌ったり
作曲家がわかりやすくするために書いた、仮の詞で歌ったり
作詞家が書いた、出来上がりの詞で歌ったり
いろんなパターンがあります。

仮の歌、ですので
もちろん私の歌が世に出る訳ではありません。
陰のお仕事ですね。

音楽というものは広く世に愛されるものですが
その制作の裏側って、あまり知られていないように思います。
仮歌って何?プロデューサーとディレクターって何が違うの?
編曲者って何、作曲する人?

私の勝手な例え話ですけれど。

牛丼屋のチェーン店で例えるなら。
一番上に立つ社長が、プロデューサー。
その指針に従って実際に店で動く店長が、ディレクター。
牛丼のもととなる、お肉とご飯を作るのが、作詞家と作曲家。
お肉の種類・つゆに使う調味料、そのバランスを開発するのが、編曲者。
用意された材料を厨房でミックスし、牛丼を作るのが、エンジニア。
それを、どんぶりというアーティストさんの上に、
楽曲という完成されたお肉とご飯を、ぽんっと載せてあげて、
出来上がり。
カウンターで待つたくさんのお客さんに届けられる。

あそこの牛丼おいしいよね〜。

良いお肉を育てること、おいしいお米を作る人、
もちろん大切ですし、そういうことってすぐに目につきますが
実は、
それらのバランスを開発する、編曲者であったり
厨房で手際よくセンス良く盛りつける、エンジニアであったり
あまり目につかない所で、とても大切な役割を果たしてる人がいる。

で、
牛丼屋でいう私の役割って
お肉を煮る“つゆ”に使われる、だし汁のかつおぶしみたいなものかな
って思います。
だしが出たら、かつおぶし(仮歌)は捨てられてしまいますが
かつおぶしが無かったら、おいしくお肉は煮えません。
そのだし汁を使い、編曲者がお醤油やお砂糖を足して
“つゆ”、になります。

私、かつおぶし。

かつおぶしの役割、結構気に入っています。
かつおぶしがメインで食卓に並べられることはないけど
私には、おいしいだしだけ取っていただければ
それで充分って思えるからです。

私には向いているな、って思うんです。かつおぶし。


かつおぶし。
猫にも好かれますしね(笑)。


さ、今日も頑張ってきますよ、かつおぶし役。







今日の私のBGM。今日歌う曲たち。

posted by ちぃ at 19:58| 音楽と仕事