2011年10月31日

「パスタマシーンの幽霊」/ 川上弘美

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こないだ購入した川上弘美さんの短編小説集、
「パスタマシーンの幽霊」をやっと読み終わりました。

まとめて読む時間が無かったのもありますが、
短編なのにあまりに世界観がぶわぁっと広がるので
ひとつ読み終わると、次の話を読むまでに休憩が必要…!
ってなってしまって、全部読み終わるまでに時間がかかりました。

なんというか…
感想を、ひとことで表すのはとても難しいのですが
敢えてひとことで言うならば
「センスが素敵」。

22の短編小説。
ページ数にして6〜12ページ程で
すぐに読み終えてしまう話なのです。
だけど、ひとつひとつがすごい世界観。
川上弘美さんの持つ、不思議な世界観。

表紙に一目惚れして買っただけあって
(内容は、一切立ち読みしてないのです)
表紙、中身の紙の質感と色、文字の間隔、フォントの雰囲気、
改行の仕方、句読点の打ち方、
そしてもちろん、文章と言葉、始まり方と終わり方、
全てに素敵なセンスを感じました。

22の話、全てが別々の話かと思いきや
実は繋がっているものもあって
でもそれを、違う人物を介しての別の話のように描いてたりと
とても工夫がなされていて、面白かったです。

恋愛が主体だけど、決して狭い範囲に絞られている話ではなくて。
もっと先が読みたいのにここで終わっちゃうの?!と
思うような所で、話が終わってしまったり…
だけどその分、ちゃんと頭の中に余韻が残る…
うーん、どの話も素晴らしすぎます。

すごい・・・。

なんだか、この一目惚れ買いに
運命すら感じてしまうほど
今の自分が、まさに欲していたものを
知ることが出来たような、気持ちになりました。


私は、短期集中力型の性格なので
本を読む!と思ったら
音楽を聴きながら・・・テレビを見ながら・・・とか
出来ないんです。
電車の中で読んでいると、目的地通り過ぎたり・・とか
降りたとしても暫く駅のベンチに座って
キリがいい所まで読んでから、改札に向かう・・・とか
すごく効率が悪いんです。

だから、あまりハマらないように・・・心がけているのですが
無理そうです。
すっかり川上ワールドに染まってしまいそうです。


コロボックルの山口さんの話。すごく温まりました。
修三ちゃんとアン子の話。すごく好きでした。
「ブイヤベースとブーリード」たった12ページの話なのに
泣いてしまいました。


この一冊、私の宝物になりました。







今日の私のBGM。なし。
posted by ちぃ at 00:00| 日記