ペットを飼っている人には必ず訪れる、「そのとき」は
どんなに覚悟をしていても、わかっていても、
辛く悲しく重たい。
夜中、
寝付きが悪い私がうとうと…やっと眠れそうかなと
思ったときに、たたき起こされたみたいにパッと目が覚めて
しーちゃんの苦しそうな姿が見えた。
「もう行くね」
そう言っているように見えた。
あぁそのときが来てしまったんだなと、思った。
でもしーちゃんの苦しそうな姿は、
元気にとことこ歩いて、うれしそうに笑っている姿に変わった。
「でも大丈夫だよ」
そう言っているように見えた。
でも本当にそれがお別れだったなんて、そのときには思わなかった。
信じられなかったし、信じたくなかった。
私の作ったクッキーやマフィンを「ちょうだいちょうだい」と
たくさん食べてくれた。
ワガママな子だったので「飼い主の躾が悪いのね」と
思ったこともあったけど、今思うとそれだけしーちゃんは
幸せな幸せな犬だったってこと。
夜中1人でさびしくいってしまったのかと、思っていたけど
お母さんがそばに居てくれたと聞いて、安心したよ。
あの日、撫でてあげられて良かった。
お鼻で“くんくん”ってして、辛い体をひきずって
私におはなししてくれたね。
ずっと前、土手まで一緒におさんぽした日、覚えてる?
犬のおさんぽなんてした事ない私と、つながって歩いたね。
畑の所でポロっとうんちしたね。
自転車に乗った人が後ろから来て「犬苦手なんです」って
しーちゃんを怖がったんだよね。
しーちゃんはいきなり噛んだりするような子じゃないのにね。
あのとき、おさんぽ楽しかったな。
たくさん頑張って、きっといっぱい疲れちゃったよね。
もう苦しくないからね、ゆっくり休んでね。
またクッキー持っていくね。
しーちゃんのこと、忘れないよ。
今日の私のBGM。たくさんいろいろ。