2009年01月09日

鳩、ひとり。

駅のホーム。
少しでもあったかい所へ、と人が群がる待合室。
そのうちの一人である私は、待合室を出て、
電車に乗ろうと、歩いた。

すると、その待合室の外側の壁に寄っかかってる、鳩。

こんな寒い所で。

電車に乗ろうとしている人でいっぱいの所で。

ひとり、寂しく、壁に寄っかかっている、鳩。

立っているというよりは、座っている感じ。
よく見えないけど、多分、片足がないんだね。

きょろきょろと首を動かし、その瞳はきれいだった。

弱ってしまったんだね。
飛びたいのに、飛べないんだね。立ち上がれないんだね。

かばんの中にあったパンをひとかけらあげようか、迷った。
駅には「鳩にエサをあげないでください」の貼り紙。
周りには人がたくさん。私の乗る電車が到着する。

私は“ごめんね”と心の中でつぶやいて、電車に乗った。


あの子は、ちゃんと飛んで行っただろうか。
私が、ひとかけらのパンをあげていたなら、元気になっただろうか。

それとも、飛んで逝っただろうか。


「痛いよ」
そう言われてる気がして、胸が痛かった。

泣きそうになった自分を振り切って、ホームに置いてきた。

電車が発車した。











今日の私のBGM。いろいろ。


posted by ちぃ at 00:00| 日記