今日はソプラノサックスのレコーディング。
とあるレコーディング。
ライブと違ってレコーディングというのは
「一回きり」「その場限り」「お客さんがいて楽しい」
という自由さや、開放感はなく、
「何度吹いたとしても、ちゃんと出来なきゃ終わらない」
というプレッシャーと、
「スタジオに缶詰」という閉鎖感がある。
子どもの頃、運動会が嫌いだった。
何度も何度も練習を重ねて。
どの競技に出たとしても、
足の遅い私は、結局恥ずかしい思いをする。
足の速い子や運動部の子は、ヒーローだ。
でも、マジメ臭い文化系の私には、
5位とか6位にしかなれない、劣等感の塊でしかない時間だ。
運動会の前の日のドキドキ感に、少し似ている。
このレコーディングの緊張感は、それに少し似ている。
「絶対にやらなきゃいけないんだ」
という気持ちに押される、心臓。
私は「集中!」と大きい声を出し、自分に気合いを入れて、
またソプラノサックスを吹き出した。
奏でる音色は、何位だろう。
別に1位になれなくたっていい。
でも、このまま5位とか6位で終わらせたくはない。
たとえそれが1位でなくても
私の中の「一番」を持ち続けていれば、きっと何かが変わる。
今日の私のBGM。古内東子「In Love Again」。